モテないけれど、それでも生きる

人生モテた試しが無い。しかし、チヤホヤはされてみたいが為に画策するブログ。方向性はまだ定まっていない。

飛田で人間のむき出しを知る

 

それは大学3回生の頃の合コンのこと。

 

相手も同じ大学生で、私たちは正に青春というものを謳歌していた。とっても若かった。

割と珍しく盛り上がった会で、みんな結構酒を飲んでいた。

 

そしたら、男の1人が、

 

「こいつ、飛田行ってんねんで〜」と隣の男の子を指差す。

指された男の子は「あはははは〜」と、たぶんその夜、大阪で一番しょうもない薄ら笑いをしていたと思う。

 

私以外の女の子も、「へ、、へぇ〜へへへ」と、決して心の底から笑ってはいなかった。

 

 

私に至っては、

「飛田とは、はて?」状態だった。

 

生れが最果ての大地・北海道なもので、

飛田という所がどんな所なのか情報が入ってこず、ここまで生きていた。

たぶん北の大地の紳士にも知っている人は居るのだろうけど、ウブ(笑)でピュアピュア(笑)な私はなんのことかさっぱりだった。

 

 

話の続きを聞いてみると、どうやらいかがわしい所らしい。

 

しかし、普通の風俗街では無いことが会話の中から読み取れた。

 

 

その時から、私の中の飛田への飽くなき好奇心が生まれたのである。

 

 

飛田。正式名称の飛田新地とは簡単に申しますと

大阪市・西成区にある黙認された風俗g...否、紳士達の極楽らしいです。昔は遊郭だった様です。

新世界とかと同じエリアにあります。

観光客が串カツ食って通天閣見てる間に、近くではあんな事❤️やこんな事❤️が行われているヘヴンがある訳です。

 

飛田新地が特殊と云われる所以は、

表向きは料亭なんすよね。

 

グーグルマップとかで検索して頂ければ分かるけど、料亭が立ち並んでるのよね。

 

ほんで、料亭に来たお客さんと、そこで働く女の子が出会って、恋に落ち、あとは流れに身を任せ...。というストーリー仕立てです。

 

 

飛田でやってる事と似た様な業態がソープらしいのだけれど、大阪って、基本ソープ無いらしいです。

1990年に行われた花博に合わせて、一斉に摘発したようです。世界にこんなの見せられませーん。って事で。

 

花博があったから、料亭という表向きを取ったのか、それ以前からこのスタイルだったのか。それは分からねぇ。教えてエロい人!

 

まぁ料亭だったら摘発のしようがないもんね。

 

 

 

前段が長くなりましたが、

やっとこさ、今までずっと読みたかった本を読む事ができました。

 

 

 

飛田で"親方"として、店舗経営を10年間されていた方が、飛田の内情を語った作品です。

 

飛田新地の中には入れない私には、飛田の内側を知れる貴重な一冊だった。店の女の子になれば別なんだろうが、私にはそんな美貌も無いし、勇気も無い。

 

 

著者は、親方になるまでの経緯、オープンまでのドタバタの日々、飛田に関わるアクター(親方、女の子、オバちゃん)の説明など、事細かに描かれている。

 

一番この本読んでてね、グサッときたのはね、

 

オバちゃんが「どんなに綺麗な子でも、魅力的な笑顔が無いと客はつかへん」的な事を言っていた事ですね。

 

 

ちなみに、オバちゃんとは店の前で男性客に声を掛ける役目の老年の淑女である。

オバちゃんの腕次第で、店の売り上げが左右されるらしいので、侮れないのだ。

 

いやはや、私は魅力的な笑顔が出来てない。

というか普段は無表情に近い。表情筋が死に絶えている。

 

飛田の美女達でも笑わないとお客がつかないのに、私は笑わなければ何もつかない。害虫だって寄り付かないだろう。

 

 

なので、今週の目標は「魅力的な笑顔」だ。

 

ただし、仕事中はマスクを着用するため、口元が見えず、魅力は8割減だ。

 

 

後はね、こうゆう商売を含めね、水商売ってスゲーわ。

 

学生の頃、腰かけ程度にホステスをやっていた端くれだったんですがね、

 

水商売は究極のサービス業だと思うんだよ。

 

別に好きでも無い人に疑似恋愛を提供するんでしょ?!

相手の恋心を満たすサービスなんですよ?!

ホスピタリティの塊ですよ彼女たちは。

 

プロのお姉さんの恋心を満たす技の数々を間近で見てたら、わたし本業ではやれねぇわぁ。ってなったよ。

 

しかも飛田の女の子はゆーたら、最後までしちゃう訳だからね。人間の本能を満たす仕事だからね。凄くね?

 

ほんで、プロ根性持った女の子の事例も幾つか紹介されている訳ですが、

 

プライド持った仕事ってカッコいいよね。

わたしなーんのプライドも無いもん。無さすぎて悟ってるもん。

 

 

そうゆう「強さ」もある女の子達だけれど、

同時に「弱さ」もある。

 

ほとんどの子たちが、一度飛田を辞めても、また戻ってくるのだそうだ。

家族を養うためだとか、自分で学費を稼ぐだとかいった確固たる目標を持った子たち以外は。

そうゆう子を「飛田依存症」と著者は呼んでいる。

 

 

長いスパンを経て戻ってきた女の子は、前と同じ様に稼げるだろうという心持ちで始めるのだが、何故だか稼げない。

 

何故だか分かる?美貌が経年劣化しているから。こんな残酷ってあんのかよ、、、。

 

どうやら、飛田という街は、客の性欲、働き手の金銭欲が渦巻き、みんな「むき出し」で生きている所なんだなぁと思った。

 

普段、私のいる環境は全然むき出しじゃない。包茎レベルだ。

 

でも、人間って皮を剥いでいくと、むき出しになる。本作はむき出しをありのままに描いた作品だと思ったよ。ちゃんちゃん。