モテないけれど、それでも生きる

人生モテた試しが無い。しかし、チヤホヤはされてみたいが為に画策するブログ。方向性はまだ定まっていない。

粛々と、淡々とー『この世界の片隅に』を観てきた。


日曜日なので、前から気になっていた『この世界の片隅に』を観てきた 

一般料金を払いたくなくて、モーニングショーで見ました。9:40からなのに、起きたら8:30。

映画館までは30分ほどかかる距離。

すっぴん髪ボサ、服はパーカー穴開きジーパンのホームレススタイル(これがデフォルト)で行ったよ。

冷気がジーパンの穴の肌にばっしばし触れて痛かった。

なんとか9:45に映画館に到着し、

オープニングから観ることが出来ました。

 

 

ストーリーのあらすじとしては、

主人公のすずが、広島・江波から呉に嫁ぐわけ。この時既に太平洋戦争が始まっていて、すずの日常にどんどん戦争が忍び寄ってくる。

日々戦況は悪化し、空襲も激化。そして、原爆が落とされ...。という事なんです。ホントにおおざっぱ。

 

正直、今まで観てきた太平洋戦争をモチーフとした映画やドラマとはなんか違う。観終わった後、その「なんか」をようやく言語化できたので、以下に感想を書き連ねて行きます。

 

 

※以下ネタバレばっしばし書くので、『この世界の片隅に』を観に行こうと検討している方は読まん方が良いかも。あとこれから漫画読もうとしている方も。

 

 

なぜ他の戦争ものの作品と違ったかと思うと、たぶん、他のレビューサイトにも書いてあるけど、戦時中ではあるけれど「日常」を主眼に置いて描かれているからなんだよね。

 

そうは思ったんだけど、え?よく終戦記念日間近でやってるようなドラマも日常描かれてるっしょ?

とと姉ちゃんでも、戦時中でも日常を映し出して、「たとえ戦時中でも、日常の小さな幸せ大切にしようよ」みたいな事言ってたよね?と自分の中に矛盾が発生したんですがね。ええ。

 

では何故、それでも私がこの映画は他の戦争物語とは違う「日常」が描かれてると感じたのかというと、

 

「戦争」そのものに対して主人公の考えが述べられていない(ほぼほぼ)からかなと。

他の戦争ものだったら、空襲に遭ったり、配給が不足するシーンがあったら、口には出さずとも「この戦争はいつ終わるのだろう」だったり、竹槍の訓練をして「鬼畜米英には絶対勝つ」だったり、「お国のためになんとやら」だったり。と戦争や敵国そのものに対しての描写があるイメージなんですよね。

 

そういったものが無い。

 

空襲が起これば防空壕に入る(一回、入らんで鷺を追いかけるシーンもありますが)

配給が少ないとなれば、近所の奥さんに聞いて、野草なんかを使ってカサ増しした料理を作ったり。

 

なんだか、淡々と状況を受け入れて、淡々と対処する。そこには一切の「戦争」そのものへの疑念は無い。

 

もしかしたら、戦時中ってすずのように、異常な状況であるのにも関わらずに、なんの事なく受け止めてしまって「戦争」そのものに疑問を抱かない人の方が多かったのかな?と思った。

 

こんな生きるか死ぬかのギリギリな生活をしていたら、目の前の事だけに焦点があてられて、物事を俯瞰出来なくなるような...。

 

 

 

あと。戦時中といえども1日の全てを戦争に捧げている訳では無い。って点もちょっと驚いた。

 

戦争中でも人を好きになる気持ちはあるし、

小姑に小言いわれて悩む事もあるし。

一人の人間として、必ずしも考え事の全てが戦争に繋がっている訳でも無いのだなと。当たり前なんだけど。

 

 

そう考えると、日常生活も私がイメージしてるのと違った。

普通に映画に行こうとしていたシーンもあったし、

遊郭もあったんもびっくり。そこの女の人は汚いモンペじゃなくて、綺麗なお着物を着てて。

ムーンライトセレナーデ聴いてたのもびっくらこいた。完全に敵国の音楽やん。

 

 

 

今まで私が得た戦争イメージとはちょっと違った映画だったんだよね。

みんなガッチガチに総動員されて、朝から晩まで戦争の事を考えて。戦争自体に疑問を持っていて。

でも、みんなその日その日を懸命に淡々と粛々と生きている。

だからこそ、空襲のシーンだったり、主人公の右腕とハルミをなくして、原爆までのシーンがより悲惨に映った。それまでその右手やハルミがどれだけ愛おしかったのかが丁寧に描かれていたから。

 

 

この映画を観て、もっとこうゆう戦時中の日常を知りたくなった。できれば今の私位の年齢で戦争を体験した方の。

戦争の悲惨さを知るのも大切だけれど、この時は誰の事が好きで、こんな事があって、こんなものを食べていて、学校でクラスメイトがこんな事件を起こして、、とか、、、。

 

そして、ただ単に日本人の戦争経験者の方だけでなく、全世界の。

日本の敵といわれていた、アメリカやイギリスの戦争経験者はどのように日常を生きていたのか。未だ戦争問題でわだかまりの残っている中国や韓国は?

 

この瞬間も、どんどん戦争を経験した人は居なくなっていく。構想だけじゃなくて、現実にしてみたいな。と思ってしまいました。